取り扱い装飾クロームメッキにつきまして

■装飾クロームメッキについて
主な用途 :車両の外装・内装部品
施工素材 :主に鉄・鋳物金属、現在では多くの金属・樹脂に施工可能(要特殊加工)
施工の目的:防錆・装飾性の向上
自動車部品の代表的なメッキの一つで、特に旧車では外装の多くの部分に使われて
いる為、レストアでは欠かすことのできないメッキですね。
「湿式電気メッキ」と言われる工法で数種類の金属層(主に銅メッキ+ニッケルメッ
キ)を化学反応を組み合わせて定着させて積層していきます。最終的にクロームのメ
ッキをのせて仕上げます。
原則として再メッキの場合は古いメッキをすべて剥離してから新しいメッキを施工しま
す。メッキの剥離についても素材に応じて様々な手法があります。経験・技術が豊富
なメッキ屋さんでないと、この時点で「部品を溶かしてしまう」なんて事もあります。
下地から完成まで必要に応じて各工程ごとに鏡面研磨作業も行われる為、非常に手
間がかかります。この研磨作業がうまくいかないと美しいメッキには絶対に仕上がりま
せん。
メッキの仕上がりがキレイ=磨きが上手い…とも言えます。
大きい部品(特にバンパー)で平面であるはずの部分が歪んだ鏡のようにウネウネと
波打っていたり、磨きすぎて部品の角ばった部分が丸くなっていたりするのはメッキ
の施工以前の「磨きが下手」な証拠です。
磨きが上手くない場合、下地のニッケルや銅メッキを分厚くのせて誤魔化すような工
法もあるようですが、平面であるはずの面が酷く歪んでしまったり部品自体が変形す
ることもあるそうです。極端に部品自体が重くなるといった副作用もあるようなので注
意が必要です。
また再メッキを考えた場合、クロームメッキは鉄鋼製品だけではなく、鋳物金属(ダイ
キャスト)に施工されていることが多いのですが、鋳物にメッキをかけることは非常に
難しいとされています。また、「鋳物」と一言でいっても亜鉛・アルミ・マグネシウムなど
を混ぜ合わせた合金なので、その種類・配合によっても対応が異なります。
鋳物の特徴として鉄鋼材料に比べて素材がもろく、経年劣化しやすい。また内部にガ
スの気泡が出来ていたり、マイクロクラック(目に見えないほどの亀裂)が多数発生し
ているのでメッキを剥離した段階で表面が全面に渡って「ボコボコ」であったり、メッキ
をかけたら内部から水素ガスが出てきて「ふくれ」ができてしまう、などのトラブルがあ
ります。
これらは素材自体が持つ特性から出てきてしまう症状なのでなにも考えず普通に再
メッキを施工した場合、運よくキレイに仕上がる可能性もありますが大抵はボコボコ
&ガサガサですぐに剥離するようなひどい仕上がりになります。そんなメッキの仕上
がりに対して強気なメッキ屋さんなら「再メッキなんてこんなもんだ」と言い張ってトラ
ブルになる事例を何度も見てきました。しかしながら長年の研究と努力によって改善
を重ねて一切トラブルの出ないメッキを施工できる業者さんもいるのも事実です。
単純に価格やホームページのキレイに加工した画像についつい踊らされてしまいが
ちですが、実績のある確実なメッキ屋さんに大切部品を預けるようにして下さい。
▶「補修メッキ」とは?
前述の鋳物製品や鉄鋼製品であったとしても金属の劣化が激しくもはや通常の再メ
ッキでは美しく仕上げられない場合、これまではあきらめて真空蒸着や塗装などの
「クロメートメッキもどき」に頼るしかありませんでした。
それを完全に解決する工法として「補修メッキ」が生まれました。その歴史は20 年ほ
どで難易度の高さから国内でも施工できるのは1 社のみです。(2021 年6 月現在)
「補修メッキ」は古いメッキ層を完全に剥離して素地が出た状態から特殊な通電性能
を備えたパテや塗装を使い下地を完全に手作業で補修してから各種金属をメッキし
ていく工法なので長期間美しい状態を保つことができます。
ただし下地の製作にも1 工程ごとに高温で焼き付け&鏡面研磨となりますので膨大
な労力と時間、そして熟練の技術力を要します。
手作業で表面の凹凸や部分的に穴が開いているような素材にもクロメートメッキが施
工できる可能性があります。(無論、物理的な限界はあります)
仕上がりについては何方様にも単純に「美しい!」と感じて頂ける品質をお約束いた
します。
非の打ち所がないと思われる「補修メッキ」ですが実はいくつかの問題点があります。
・コストが非常に高い→普通の再メッキのおよそ2 倍程度
・完全手作業のため納期が長い→約3~6 ヵ月(最近早くなっています
・下地が厚くなるので部品が太る→重ね合わせる部品には追加工が必要になる
どうしても手に入らない希少な部品や溶接で変形しやすい素材にも施工可能です。
目立つ部分に鋳物部品が使われている車両はアクセントとして効果絶大です

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